「オイル漬け」


「オイル漬け」とは、買ってきた食材を、調味料やハーブなどと一緒に、オリーブオイル(中華風にしたい場合はゴマ油)に漬け、保存ビンや保存容器で冷蔵または冷凍保存してレシピに活用する調理法です。こうしておくことで、食材の味が凝縮され、旨味が増すので、取り出した後の、調理の手間が大幅に削減できます。もちろん、そのまま食べることも可能。また、食材の保存期間が伸びるので、食材の賞味期限切れ等による廃棄ロスも大幅に減らすことができます。
 調理のプロセスは、以下の通りです。まず、野菜の場合は、
①買ってきた野菜を冷水に浸けおく。
②保存ビンや保存容器を煮沸消毒し、乾燥させる。
③野菜を下処理(茹でたり、焼いたり、揚げたりなど)する。
④調味料やハーブなどを用意する。
⑥別の器にオリーブオイルを注ぎ、あらかじめ、塩を混ぜる。
⑦保存ビンや保存容器に、野菜と調味料やハーブなどを入れ、塩オリーブオイルを注ぐ。
⑧スプーンなどで全体を混ぜ、蓋をして冷蔵庫に入れる。
翌日から食べられます。

 次に、薄切り肉の場合は、
①保存ビンや保存容器を煮沸消毒し、乾燥させる。
②ボウルに、調味料を入れ、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせる。
③買ってきた薄切り肉を保存容器に入れ、ハーブをまぶす。
④そこに上記のオリーブオイルを注ぎ、蓋をして冷蔵庫に入れる。

 固まり肉の場合は、これに、「塩とハーブをまぶして、冷蔵庫に一晩、置く」という一手間が必要になります。すなわち、
①買ってきた肉に、塩とハーブをまぶし、ラップに包んで、冷蔵庫に一晩、置く。
②保存ビンや保存容器を煮沸消毒し、乾燥させる。
③固まり肉の水気を拭いたのち、ハーブごと鍋に入れて、オリーブオイルを注ぐ。
④鍋を中火にかけ、ふつふつしてきたら弱火にし、蓋をして1時間ほど煮る。
⑤保存容器にオイルごと移し、冷めるのを待って、冷蔵庫に入れる。

 魚の場合は、「塩をまぶして、余分な水分を抜く」という一手間が必要になります。
 慣れないうちは、ちょっと時間を要しますが、保存期間のことを考えれば、十分、お釣りがきます。オイル漬けの第一人者である磯貝由恵先生の調理経験に由来する、素材別の保存期間を、冷蔵と冷凍に分けて、主なものだけ、まとめてみましたので、ご参考に。


※画像をクリックすると、出版社のページに飛びます。





























◆野菜

冷蔵
保存期間
冷凍
保存期間
漬ける前の
下処理
ほうれん草
3日
茹でる
ニンジン
1週間
蒸す
ブロッコリー
1週間
蒸す
ネギ
10日
蒸す
パプリカ
1週間
焼く
キノコ
1ヵ月
焼く
セミドライトマト
10日
焼く
ナス
1週間
揚げる
カボチャ
2週間
揚げる
ゴボウ
10日
揚げる
カリフラワー
5日
不要
キュウリ
3日
不要
ハーブ
1週間
2か月
不要
ダイコン+セロリ
10日
不要

◆肉、魚

冷蔵
保存期間
冷凍
保存期間
漬ける前の
下処理
豚固まり肉
1ヵ月
3か月
煮る
鶏もも肉
1ヵ月
3か月
煮る
豚薄切り肉
1週間
不要
牛薄切り肉
10日
不要
サバ
10日
1ヵ月
不要
サーモン
1週間
不要
マグロ
2週間
煮る
ブリ
5日
不要
アジ
2週間
煮る
たらこ
10日
不要
エビ
5日
不要
牡蠣
1ヵ月
から炒り


◆豆、海藻など

冷蔵
保存期間
冷凍
保存期間
漬ける前の
下処理
1週間
不要
豆腐
1週間
不要
ひじき
1週間
茹でる
わかめ
1週間
不要
チーズ
2か月
不要
オレンジ
10日
不要
いちご
5日
不要
パイナップル
3か月
不要


    (磯貝由恵著『魔法のオイル漬けBOOK』を元に作成)



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