2018年10月27日土曜日

稼いでも、そのおカネは気楽に使えない、今の若者たち

「稼ぐが勝ち」。これは、ある意味、今の日本社会の一面の真理ですが、こうした親御さんの思惑とは裏腹に、日本では今、若い人たちが、稼いでも、そのおカネは気楽に使えない状況が出現しています。日本の公的年金制度の持続可能性が不安視される一方、日本の経済的地位が急速に低下しているため(その責任の大半は、安倍政権の無策)、若い人たちが、日本の先行きに明るい展望を持てないでいるのです。
 日本の公的年金制度の持続可能性に関しては、「(支給額を)減額されることはあっても、制度がなくなることまでは・・・」といった楽観論もありますが、当の若い人たちは、その言をまったく信用していません。ある就職情報会社が、2年前に大学生を対象に実施したアンケート調査によれば、「将来、年金がもらえると思っていない」と考えている人は、なんと、約7割も占めました。「年金がもらえると思っていない」以上、いくら稼いでも、そのおカネを気楽に使う気分にはなれませんよね。
 自分たちの責任を問われかねないので、日本政府はひた隠しにしていますが、日本の今の一人当たりの国民所得(GDP)は、世界で何位だと思いますか? 10位? ブー。じゃ、15位? それもブーです。信じられないかもしれませんが、2016年現在で、日本の一人当たりGDPは、世界22位です! 2010年は、まだ、18位に踏みとどまっていたのですが、安倍政権6年の間にドイツやイギリスにも抜かれてしまいました(そんな国が何で先進7か国に入っているのか不思議ですよね)。
 2000年までは、日本は1人当たりGDPが米国を上回る水準で、小国を除くと、実質的には世界第1位だったことを思うと、隔世の観がありますよね。1人当たりGDPが、名目GDPによる表示であることから、低いインフレ率の日本が数字上、不利になるという指摘は認めます。しかし、そもそも、経済成長率が低いことに、この相対的地位低下の根本的な理由があるわけですから、若い人たちに、「日本の先行きに明るい展望を持て!」と言うほうが無理だと思いませんか?
「節約するが勝ち」。今の若い人たちの生活信条を一言で言い表せば、こんな表現になるでしょうか。残念ですが、安倍総理の言うことなんか、だれも、信用してない。口から出任せだと思っている。来るべき公的年金制度の破綻を見据えて(?)、稼いだおカネを、いかにして、減らさないようにするか。若者たちの関心は、その一点に移ってきていると言っても過言ではないでしょう。団塊の世代の人たちに比べると、随分、堅実…。確かに、そうですよね。でも、それが、今という時代なのです。(⇒次回に続く



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